みなさん、ギャルって聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
つけまつげバサバサ、カラコン、日焼け肌……。きっと色々な「盛り」を想像するかもしれませんね。
でも実は私、ライターのリコは、つい10年ほど前までゴリゴリの現役ギャルでした。毎日が「映え」との戦い。プリクラは命、ルーズソックスは正義、ギャル文字はもはや共通言語でした。
あれから時が経ち、私も気づけば28歳。あの頃の青春が、今はどこか遠い昔のようです。
でも、最近のTikTokやInstagramを見ていると、「あれ、なんかあの頃と違う?」って思うことがたくさんあります。
この連載では、私自身が経験した「ギャル」という文化を掘り下げ、約10年前と今のギャルたちの「本音」を徹底比較していきます。
昔のギャルも今のギャルも、根っこにあるのは同じなのか? 令和の「ギャルマインド」とは一体どんなものなのか? ぜひ一緒に探っていきましょう。
10年前のギャルと今のギャル、ここが違う!
まずは、ギャルを語る上で欠かせない「見た目」から見ていきましょう。
約10年前、私たちのメイクは「盛り」が命でした。つけまつげは3枚重ね、アイラインは目尻を大胆にはね上げ、シャドウは濃いグラデーション。特に、少し白めのファンデーションに小麦色のパウダーを重ねる「ギャル肌」は、私たちのこだわりでした。 ファッションも同様で、ミニスカートに厚底ブーツ、ヒョウ柄のアイテムを身につけ、とにかく「派手であること」が正義でした。雑誌『egg』や『Ranzuki』を読んで、どうすればもっと盛れるか研究していましたね。
一方、今のギャルは全然違います。TikTokやInstagramで流行しているのは、肌の質感を活かしたナチュラルメイク。つけまは1枚か、マスカラのみ。アイシャドウも肌なじみの良い色が主流です。 ファッションは、かつて私たちが履いていたルーズソックスがリバイバルしていたり、へそ出しのショート丈トップスなど「Y2K」ファッションがトレンド。厚底スニーカーも流行していますが、かつてのようなゴツゴツしたものではなく、スマートなデザインが多い印象です。
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さらに大きな違いは、コミュニケーションの取り方です。私たちの時代は「ギャル文字」やブログが主流で、デコメを交換していました。それが今ではTikTokやInstagram、YouTubeといったSNSツールが中心になっています。今のギャルたちは、動画やライブ配信で自分の好きなことを発信し、世界中の人と繋がっています。
時代の変化とともにギャルの見た目やツールは変わったけれど、果たして「ギャルの本質」も変わったのでしょうか?
変わらないギャルの共通点、それは「マインド」だった
メイクもファッションもツールも大きく変わったけれど、ひとつだけ、昔も今も変わらないギャルの共通点があります。それは、外見ではなく**「マインド」**です。
10年前、私たちは「自分たちが一番イケてる」と本気で信じていました。周りからどう見られるかではなく、自分が楽しいか、自分が「可愛い」と思えるかがすべて。 当時、つけまつげ3枚重ねは「やりすぎ」と言われることもありましたが、そんな声は全く気にしませんでした。なぜなら、それが私たちの「最高に盛れた私」だったからです。 「みんなと一緒じゃつまらない」「自分が好きなら、それでいい」という強烈な自己肯定感。これこそが、ギャルをギャルたらしめている本質的なマインドだと、私は今でも感じています。
このマインドは、今のギャルたちにも受け継がれています。 TikTokでトレンドを追いかける一方で、自分だけのスタイルを追求し、個性的な表現をするギャルが増えました。他人の評価に流されず、「自分がどうしたいか」を最優先に行動する。それは、昔のギャルたちが持っていた「自分が楽しいのが一番!」というマインドそのものです。
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そしてもう一つ、ギャルは「友達は宝物」という強い絆で結ばれています。誰かが悩んでいればすぐに集まり、一緒に泣いて、笑い、どんな時も支え合いました。それはSNSが中心となった今でも同じです。 オンラインで繋がっている仲間と、一緒に新しい「映え」を作り出す。この強い仲間意識もまた、ギャル文化の核にある、普遍的な価値観なのです。
1. まとめ
この連載で、私自身も改めて気づかされたことがあります。10年前のギャルと今のギャル、見た目や流行は大きく変わりました。スマホの普及やSNSの進化は、コミュニケーションのあり方や情報の広まり方を根本から変え、私たちの「映え」の概念をもアップデートしました。
しかし、その根底にある「自分らしさを貫くマインド」や「仲間との強い絆」は、時代が変わっても揺るがないギャルの共通点だったのです。
2. ギャルの聖地「縄張り」事情──渋谷と新宿、それぞれのプライド
私たちの時代、ギャルには明確な「縄張り」がありました。 特に、聖地と呼ばれたのは渋谷と新宿。 渋谷は「ファッションの最先端」「トレンドの発信地」として常に憧れの場所でした。渋谷109の前で「盛れた」プリクラを撮り、センター街を闊歩することが、私たちのステータスでした。 一方、新宿のギャルは少し違います。新宿は「個性」や「独自のスタイル」を重視するギャルが集まる場所でした。渋谷がメジャーな「王道ギャル」なら、新宿は「自分だけのスタイル」を追求するギャルたちが多かった印象です。
渋谷ギャルと新宿ギャルは、お互いにライバル意識を持っていましたが、それは「どっちがよりイケてるか」という健全な競争心でした。この縄張り意識は、私たちのファッションセンスやメイク技術を磨く原動力になっていたのです。 今のギャルには、こうした「縄張り」意識は薄れているようです。SNSを通じて、全国のギャルが繋がり、場所にとらわれずに情報を交換し合えるようになったからです。
3. ギャルの意外な素顔──根は真面目で親切な「お姉さん」
「ギャル」というと、「遊び好き」「派手好き」といったイメージが強いかもしれません。 しかし、ギャルはとても「根は真面目」で、優しい人が多いということを、私は身をもって知っています。
私たちの間では、いわゆる「スクールカースト」のようなものは存在しませんでした。どんなに見た目が派手でも、困っている人がいれば、当たり前のように助け合う。それがギャルの常識でした。 当時、私がアルバイト先で悩んでいたとき、年齢も学校も違うギャル仲間に真剣に相談に乗ってもらったことがあります。見た目は派手だけど、中身はとても落ち着いていて、まるで頼れるお姉さんのようでした。 彼女はこう言っていました。「私たちは見た目で判断されがちだからこそ、中身はちゃんとしてないとダメなんだよ」と。
この言葉は、今でも私の胸に残っています。 外見の「盛り」は、自分を強く見せるための鎧だったのかもしれません。しかしその内側には、相手を思いやる優しさや、真摯に物事に向き合う真面目さがあったのです。
4. ギャル人生の光と影──遊びすぎて人生を台無しにした「あのコ」の話
私たちの時代は、夜遊びや男の子との遊びが「ギャル」であることの証明でもありました。しかし、その「遊び」が原因で人生のレールを外れてしまった仲間もいました。
当時、仲の良かったAちゃんは、誰よりも楽しそうに遊び、周りを明るくするムードメーカーでした。しかし、毎晩のように遊んでバイトも長続きせず、次第に学校にも行かなくなってしまいました。 最終的に、彼女は周りのギャル仲間からも距離を置くようになり、私たちの目の前から姿を消してしまいました。
この経験は、私に大きな教訓を与えてくれました。 「ギャル」という生き方は、自由で楽しい。でも、その楽しさには責任が伴う。どこかで線を引かなければ、取り返しのつかないことになる。 Aちゃんのように、遊びすぎて人生を台無しにしてしまうギャルは、決して珍しくはありませんでした。 しかし、同時に、遊びを通じて多くのことを学び、そこから自分の夢を見つけて社会に出ていったギャルもたくさんいます。
私にとって、ギャル時代は「遊び」を通して社会の仕組みや人間関係を学んだ、かけがえのない時間でした。
5. まとめにかえて──「ギャル」というフィルターを通して見えたこと
ギャル文化は、単なる一過性の流行ではありませんでした。 それは、時代の変化を映し出す鏡であり、女性たちの自己表現の場でした。 「盛る」ことで自己肯定感を高め、仲間との絆を深め、そして失敗から多くのことを学びました。
見た目は派手でも、根っこにあるのは「真面目」で「親切」な心。 遊びすぎて道を踏み外す人もいるけれど、多くのギャルは自分の力で人生を切り開いていきました。
私たちが「ギャル」というフィルターを通して得た経験やマインドは、今の私の仕事にも生きています。 「変わりたい」「自分を好きになりたい」という気持ちを大切にすること。 そして、どんな時も仲間を信じ、自分を信じること。
10年前、私はギャルでした。 そして今、私はこの経験を胸に、新しい人生を歩んでいます。 「ギャル」という生き方は、私にとって、人生の羅針盤のようなものだったのかもしれません。
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